第7回勉強会開催、「尖閣諸島問題についての歴史的考察」

 7月20日、第7回勉強会が開催され、先日『日中領土問題の起源 公文書が語る不都合な真実』(花伝社)を出版された村田忠禧・横浜国立大学名誉教授から、尖閣諸島の歴史的経緯についてお話いただきました。詳細はこちらをご覧ください→1307勉強会資料

 村田先生は、日中両国が尖閣諸島をそれぞれ「固有の領土」と主張するに至った経緯について、外交文書をはじめとする各種資料から読み取れる事実をもって『日中領土問題の起源』をまとめています。

 勉強会でも、「私は、尖閣諸島は日本の領土である、或いは中国の領土であると言いたいのではない。資料から読み解ける尖閣諸島の歴史的経緯を提示しているだけ。いま、領土問題をめぐって日中政府の見解は異なっているが、私たちに必要なのは事実を発掘し、それを共有化すること。『実事求是』(事実に即して真理・真実を探求する)精神が大切だ」と指摘されました。

 尖閣諸島問題の解決策については、「平和・友好・協力・共同発展の象徴として、共同管理することが賢明ではないか」と述べ、そのためにも、今こそ民間交流を積極的に展開して硬直化した状態を打破する必要があるとの見解を示されました。

第6回勉強会開催、テーマは「中国の女性問題」

 6月22日、第6回勉強会が開催され、当会会員の田中綾子さんから中国の女性問題についてお話いただきました。

 日本に比べ、中国は女性の社会進出が進んでおり、社会や家庭での発言権も比較的強いと言われています。それには国家主導型の男女平等政策、その推進母体である「婦女聨合会」の存在があるとのことでした。また、日本の女性と同じく、中国の女性も家庭と仕事の両立という問題を抱えていますが、農村部の女性を家事労働力として養成して都市部で就業させる「家事労働サービス産業」を推進することによって、女性の失業問題と家庭と仕事の両立問題の二つを支援しているとの説明がありました。詳細はこちらをご覧ください→1306勉強会資料

 程度の差はあれ、古今東西、女性の地位に関する問題は存在し、とくに女性にとっては大変関心の高い問題であるため、女性の参加者が多い勉強会となりました。

 

 

 

 

第5回勉強会開催

 5月18日、これまでで最多の30数名の参加者を得て、第5回勉強会が開催されました。今回の講師は、中国共産党中央編訳局の郭勰さん。「中国経済発展の現状及び直面している重要課題――「三農」問題を中心に」というタイトルで、中国の経済発展理論の推移、「三農」問題発生の要因・対策等についてお話いただきました。ちなみに、「中国共産党中央編訳局」とは、マルクス主義経典著作の翻訳編集と研究、党と国家の重要文献や指導者の著作の翻訳に従事する中国共産党直属の機関です。

 中国の都市化、戸籍制度や土地制度は外国人にとっては理解しにくいものであるため、これらをめぐって活発な質問が飛び交いました。

 また、今回の勉強会では当会の規約案も提示され、6月の勉強会で規約制定の賛否を問う運びとなりました。

第四回勉強会・懇親会、盛況でした!

20日、第4回勉強会と当会初の懇親会が開催されました。

冷たい雨が降り、まるで冬に戻ったかのような寒い日でしたが、30人近くの参加があり、初参加の方も5名いらっしゃいました。

勉強会では中国人ジャーナリストの陳言さんより、中国経済の最新事情と中日関係についてお話いただきました。李克強首相が「中国経済のアップグレード」という概念を打ち出し、上海での自由貿易区建設を模索していると見られることや、スマートシティの建設に力を入れ始めたことなど、日本のメディアではあまり報じられない中国経済の新たな動きについてご報告いただきました。また、中日関係については、中国のテレビでよく目にする「抗日神劇」と呼ばれる抗日ドラマが、その内容や制作手法について中国国内で批判や軽蔑が多くありながらも、ある層の大衆には絶大な人気を博しているという矛盾などをご紹介いただきました。詳細はこちらをご覧ください→1304勉強会資料

勉強会のあとは、隣の中華料理店「維新號」に場所を移して、懇親会が開催されました。

参加者の皆さんはそれぞれに中国とのかかわりが深く、日中関係の各分野で大いに活躍されており、こうした方々の参加を得たことを心強く思うと同時に、当会の大いなる可能性を改めて感じました。

年齢や経験もさまざまで、初対面の方も多い集まりでしたが、中国への想い、昨今の日中関係を憂う気持ちは皆さん一緒で、そこかしこに話の輪が広がり、大いに盛り上がった楽しい会となりました。

 

第3回勉強会開催

春のポカポカ陽気に恵まれた16日、東京は桜の開花宣言が出されました。観測史上最速タイの開花だそうです。そんな春本番の気候の中、第3回勉強会が開催されました。

今回は野村證券にて中国業務を20年にわたり担当され、北京と上海での駐在経験もお持ちの石川嘉英氏より、「中国の株式市場」についてお話いただきました。
中国株の種類や市場規模、特徴等、図表を使って大変わかりやすくご説明いただき、中国の株式市場の概況について理解することができました。石川氏は、中国の株式市場は非流通株の流通化をはじめとする改革を深化させ、健全化と透明性の追求も進めているものの、市場操作やインサイダー取引等、課題もまだまだ多く、今後の展開、行方を注視していく必要があると指摘されました。

その後、横堀克己氏より17日に閉幕した第12期全国人民代表大会について若干の報告がなされ、温家宝総理の10年間の実績や残された問題、鉄道部の解体等を盛り込んだ政府機構改革等について説明がありました。

最後に、当会の今後の活動方針や勉強会で取り上げたいテーマ等について活発な意見が出され、参加者のみなさんの当会に対する意気込み、期待が強く感じられました。

4月の勉強会の後には懇親会を予定しており、食事をしながら日中関係の現況、当会のありかた等についてざっくばらんにお話できたらと考えています。勉強会と併せてぜひご参加ください。

元宵節

昨日2月24日は旧暦の1月15日、元宵節でした。

春節後の最初の満月の夜にあたるこの日は、中国の伝統的な祭日のひとつです。春節のお祝いムードはこの日まで続きます。公園や街角には色とりどりのランタンが飾られ、「猜灯謎」という謎解き遊びをする風習があります。

また、北方では「元宵」、南方では「湯円」と呼ばれる食品を食べます。どちらももち米の粉で作るだんご状のものなのですが、製法が異なるようで、「湯円」は白玉団子のようなやわらかい食感なのですが、「元宵」はもう少し大きくて粘りがあります。私はこの「湯円」が大好きで、北京に住んでいた頃は元宵節に限らず日常的に食べていました。

職場の中国人同僚に聞いたところ、日本では「元宵」や「湯円」は手に入りにくいものの、やはり昨日は同胞で集まって餃子を食べたり、鍋を囲んだりしたそうです。  

会の名称、「日中未来の会」に決定!

2月16日に開催された勉強会にて、当会の名称を「日中未来の会」とすることに決まりました。会の名称については、10以上の案が寄せられましたが、最終的に多数決での決定となりました。日中関係の健全な発展には、これまでの歴史を振り返り、それを検証することももちろん大切なのですが、過去にとどまらず、未来に向かって歩みを進めなければならないという参加者のみなさんの思い・期待が込められた名称になったものと思われます。
このほか、当会の運営にあたり、各担当が以下のとおり選任されました。

共同代表:横堀 克己 氏 南村 志郎 氏
催事運営:近藤 大博 氏
会計連絡:長谷川 正義 氏
HP運営:原 絢子

ホームページ開設

「日中未来の会」は、昨今の日中関係の悪化を懸念した人たちにより、草の根レベルの相互理解を深め、友好親善関係を促進していこうと今年1月に立ち上げられた会です。このたび正式にホームページを開設しました。

当会は、毎月第3土曜日の勉強会を中心に、直接行動することをモットーとして、今後、さまざまな活動を計画していきます。

当会には、国交正常化以前から、政治、経済、文化、学術、スポーツ等の各方面で日中友好に力を尽くしてきた方々が多く参加されています。

相互理解を深め、日中友好を促進したいと考える方ならどなたでも参加いただけるオープンな会ですので、ご興味がありましたらいつでもお問い合わせください。特に若い方のご参加をお待ちしています。

ホームページ管理人 原 絢子