第13回勉強会開催、「日中関係の現状と課題」

 3月15日、第13回勉強会が開催され、横浜国立大学名誉教授の村田忠禧さんから、「日中関係の現状と課題」をテーマにお話いただきました。

 まず、近年の日本と中国の輸出入動向、外国人の訪日・訪中人数、アジア各国・地域への訪問者数、軍事費等の状況を具体的なデータを使って比較しつつ、周辺諸国は日本よりも中国との経済的結びつきが強くなっており、日本と組んで中国包囲網を構築しようと考える国は存在しないと指摘しました。また、他国と比較して、中国に対して「親しみを感じる」人が顕著に減少していることに懸念を示しました。

 そのうえで、現在の日中関係を改善するためにはとにかく「対話」が大切だと強調。「小さな無人島の争い」を互いの軍事増強の口実、ひいては戦争の発火点にさせてはならず、正確な事実の掌握、理論的解明のためには台湾、沖縄も含めた共同作業が必要であり、この島を、友好・協力の起点とすべきだと述べました。

 会場からは、日中両国は互いの主張を聞くことが必要、島問題の解決はそれだけを取り出して考えることはできず、両国関係の全体的な環境整備が重要等の意見が出されました。また、関係改善のためにどんな人々が連帯すべきかとの質問に対し村田さんは、「現状の打破は第二の国交正常化といってもよいと思う。1972年の日中国交正常化では民間の力が大きく働いた。今回も国民一人ひとりの力が大切だ」と答えました。