第11回勉強会開催、「四川大地震における緊急援助と復興支援」

 12月21日、今年最後の月例勉強会が開催され、国際協力機構(JICA)の岡田実さんから、中国・四川大地震における日本の緊急援助と復興支援についてお話いただきました。また、大地震後に訪日した胡錦濤国家主席から感謝の意を込めて贈られた日本の緊急援助隊の活動をまとめたDVDも、特別に上映されました。(勉強会資料はこちら→1312勉強会資料

 2008年5月12日の四川大地震発生の際、JICA中国事務所の副所長であった岡田さんは、北京で、そして時には被災地の四川省で、日本の緊急援助隊のアレンジに尽力されました。

 四川大地震に際し、日本の緊急援助隊はいち早く現地に入り、真摯に全力で救助活動にあたりました。救助活動の中で日本人がみせた人道的な態度は、中国の人たちの間でも大きな話題となり、日本人に対するイメージを好転させました。ネットには、日本に対する感謝の言葉がたくさん書き込まれました。

 2011年3月11日の東日本大震災の際には、四川大地震のときに受けた恩を返そうと、JICA中国事務所に直接募金を届けに来る人がいたり、中国各地からたくさんの応援メッセージが届いたりしたそうです。もちろん、東北の被災地には中国の救助隊が入って救助活動にあたったほか、テントやガソリン等の支援物資も届きましたが、残念ながら日本国内ではあまり報道されなかったため、中国からの支援の状況を知る人は必ずしも多くありません。

 岡田さんは最後に、日中関係について、「本当に困ったときに助け合える関係、お互いに理解し、信頼し、尊敬する関係が大事なのではないでしょうか」と語りました。

「日中関係シンポジウム」成功裏に終わる

 11月28日に新宿NSビルにて開催された「日中関係シンポジウム」は、100名近くの参加者を得て、大成功の内に幕を閉じました。

 日中双方の基調発言の後、第一部は「現在の日中関係をいかに打開するか」、第二部は「新たな日中関係をいかに構築するか」をテーマに、日中それぞれ3名のパネラーが発言し、これに対して会場から多彩な意見が出されました。

 パネラー及び参加者は、各方面で長年、日中関係や両国間の交流事業に携わってきた方々であり、その意見や経験はこれからの日中関係を考えるうえで大変示唆に富んだものでした。

 「島」の問題がなかなか解決しないからこそ民間交流は非常に大切であり、「民を以って官を促す」の言葉のとおり、「島」問題の平和的解決を促す活動をささやかながらも続けていくことの重要性を再確認した有意義なシンポジウムでした。

※シンポジウムの詳細レポートはこちらをご覧ください。