例年にない厳しい暑さが続いておりますが、8月の勉強会も予定通り開催されました。以下は、横堀代表による勉強会のレポートです。
第8回勉強会は8月17日(土)、東京華僑会館で開催され、一時帰国中の南村志郎・「日中未来の会」共同代表が「最近の中国情勢」について報告した。
報告のポイントは、習近平新体制の発足後、「大衆路線」などの毛沢東時代によく使われた言葉が復活し、「四つの悪風」(形式主義、官僚主義、享楽主義、贅沢の風潮)を追放する動きが活発化していることだ。高級幹部から、無制限に使えるカードやゴルフ会員権を提出させるなどして、「悪風」退治が大規模に始まっている。
その中心人物は王岐山・政治局常務委員である。彼は本来、金融の専門家だが、習近平主席はあえて王岐山を中央規律検査委員会書記に任命した。王岐山は姚依林・元副総理の娘婿で、「太子党」の一員という立場を生かし、汚職腐敗追放を全国規模で展開している。
もう一人、注目すべき人物は、中央書紀処書記の王滬寧。彼は、復旦大学の教授だったが、中央に招かれ、江沢民の「三つの代表」、胡錦濤の「科学的発展観」、習近平の「中国の夢」の理論を編み出したとみられる。
また党中央弁公室の主任の栗戦書、人民日報社長の楊振武も注目すべき人物である。習近平が河北省定県の書記をしていた当時、彼らも河北省の他の県の書記をしていた関係で、深い交友関係にあるという。
習近平体制は汚職や腐敗との戦いを始めたが、それが成果をあげられるかどうかはまだわからない。高級幹部が国営企業の権益を握っているため、これを打破できるかどうかが問われている。