満蒙開拓平和記念館(@長野県阿智村)

 7月27日、当会の横堀克己代表、横堀雅子さんと一緒に長野県下伊那郡阿智村にある「満蒙開拓平和記念館」に行ってきました。

 東京から中央自動車道を利用して約4時間。「飯田山本IC」で高速を下りてのどかな田園風景の中を5分ほど走ると、木造平屋建ての落ち着いた建物が見えてきます。 満蒙開拓平和記念館

   

      専務理事の寺沢秀文さんによると、今年4月25日の開館以来、多くの方が足を運び、来館者はまもなく1万人に達するとのこと。私たちが訪れた日も30人ほどの方が熱心に展示物を見学していました。

 木の香りが漂い、ぬくもりのある館内では、戦前から戦後に至る満蒙開拓の歴史が時系列に紹介されています。

 日本は中国東北部に建国した「満州国」に、国策として多くの農業移民を送り込みました。長野県はその「満蒙開拓団」が全国で飛び抜けて多く、その中でもこの飯田下伊那地域は一番多い地域だそうです。

 この日はちょうど、語り部定期講演が開催され、岐阜県加茂郡白川町より「黒川村開拓団」として渡満された佐藤ハルエさんのお話を聞かせていただくことができました。書籍やテレビ等では開拓団に参加された方の体験を読んだり目にしたりしたことがありますが、直接お話を聴くのは初めてで、戦争の不条理、悲劇、平和の尊さを改めて考えされられました。 佐藤ハルエさん

    パンフレットには、「前事不忘、後事之師―前事を忘れず、後事の教訓とする―」の言葉が記載されています。寺沢さんは、「この記念館は決してこの歴史を美化するものではない。この歴史を風化させることなく後世に伝え、平和について考える拠点としたい。」と話していました。

 交通は少し不便なところにありますが、近くには「昼神温泉」や「天竜峡」等景勝地も多くありますので、ぜひ足をお運びください。

ホームページ管理人 原 絢子

満蒙開拓平和記念館ホームページ
http://www.manmoukinenkan.com/

第7回勉強会開催、「尖閣諸島問題についての歴史的考察」

 7月20日、第7回勉強会が開催され、先日『日中領土問題の起源 公文書が語る不都合な真実』(花伝社)を出版された村田忠禧・横浜国立大学名誉教授から、尖閣諸島の歴史的経緯についてお話いただきました。詳細はこちらをご覧ください→1307勉強会資料

 村田先生は、日中両国が尖閣諸島をそれぞれ「固有の領土」と主張するに至った経緯について、外交文書をはじめとする各種資料から読み取れる事実をもって『日中領土問題の起源』をまとめています。

 勉強会でも、「私は、尖閣諸島は日本の領土である、或いは中国の領土であると言いたいのではない。資料から読み解ける尖閣諸島の歴史的経緯を提示しているだけ。いま、領土問題をめぐって日中政府の見解は異なっているが、私たちに必要なのは事実を発掘し、それを共有化すること。『実事求是』(事実に即して真理・真実を探求する)精神が大切だ」と指摘されました。

 尖閣諸島問題の解決策については、「平和・友好・協力・共同発展の象徴として、共同管理することが賢明ではないか」と述べ、そのためにも、今こそ民間交流を積極的に展開して硬直化した状態を打破する必要があるとの見解を示されました。