第3回「日中関係シンポジウム」、安保法制以降の日中関係について議論

10月24日(土)、第3回日中関係シンポジウム「安保法制以降の日中関係」が開催されました。戦後70年にあたる今年、中国では「抗日戦争勝利70周年」の式典と軍事パレードが行われ、日本では「安保法制」が強行採決されました。私たち民間は更なる複雑化が予想される日中関係をどう認識するのか、そしてどのような日中関係を構築するのか。4人のパネリスト、80人以上の参加者を得て、経済、報道の分野を中心に広範な議論が展開されました。

まずは、工学院大学孔子学院の西園寺一晃学院長が基調発言を行い、その後、パネリスト4名による発言、討論がありました。

フリージャーナリストの陳言氏は、変貌する中国経済について発言し、日本のマスコミが中国経済の衰退等、マイナス面ばかりを報じていることについて、「確かに報道している事象は正しいが、別の一面もある」と指摘しました。

国際貿易投資研究所チーフエコノミストの江原規由氏は、習近平政権が進める「一帯一路」について解説し、「日本はこれを『中国の』政策とはとらえずに、新しいアイデアとして受けとめるべき」と述べました。

拓殖大学教授の杜進氏は、日本人の対中国観は世界でも突出してネガティブであると指摘し、「鍵は民間の理解と信頼の深化」と述べました。また、昨今の中米関係についても解説しました。

共同通信社論説副委員長の森保裕氏は、1970年代からの日中関係をめぐる動きを踏まえた上で、日中両国の4つの誤りとして、①中国の自信過剰と日本の過度な自信喪失②中国脅威論と日本脅威論③ナショナリズム④内政の問題点隠しを指摘しました。

このほか、会場からも有意義な質問、意見が多数出され、今後の日中関係を考えるにあたって、示唆に富む内容豊かなシンポジウムとなりました。

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