第32回勉強会開催、「最近の中国事情」

12月19日、第32回勉強会が開催され、当会共同代表の南村志郎さんから、「最近の中国事情」について紹介していただきました。

まず、中国はいままさに「東方不亮、西方亮」※の状況にあると述べました。ここで言う「東方不亮、西方亮」とは、文字どおり、「東方は暗いが、西方は明るい」という意味で、中国はいまもっぱら英国など欧州との経済協力を積極的に強化し、欧州も中国との経済的な結びつきを強めていると説明。その一方、日本はまだ中国脅威論にとらわれ、中国を敵視する論調が強く、両国関係に影を落としていると指摘しました。

また、安保法が施行される来年3月以降、安倍政権は日本国民が抱いている島への思いを利用して、ここは日本の領土であるということをはっきりさせる行動を起こし、日中間の緊張は高まるのではないかとの懸念を示し、これでは、いくら民間交流を進めても、政府間交流の見通しは暗く、来年の日中関係は明るいとは言えないとの見方を示しました。

このほか、経済、貧困、軍、PM2.5等、中国が直面する多方面の問題についても触れ、これらを巡って出席者との質疑応答が行われました。

注:もともとは毛沢東の言葉で、「東が上手くいかなくても西がある、方策はある」という意。