第1回訪中団レポート

 

 日中未来の会の第一回訪中団が2013年5月30日から6月3日まで北京・上海を訪れ、中国国際友人研究会、中国国際交流協会、上海国際問題研究院等と日中関係の改善に向けて率直な意見を交わしました。また、北京では、中国社会科学院の元米国研究所副所長である陶文釗氏から「中米関係と釣魚島(尖閣諸島)問題」をテーマとした講演を聞き、日中関係の未来を展望するのに欠かせない中米関係について理解を深めました。

 北京から上海へは2011年に開通した高速鉄道で移動し、車窓の風景を楽しむと同時に、団員同士の交流を深めました。上海では、上海万博跡地を訪れ、現在は巨大美術館「中華芸術宮」として生まれ変わった元中国館を参観し、万博の目玉であった3Dの「動く清明上河図」を見学しました。

 昨今の厳しい日中関係の中で、双方忌憚のない議論を交わすことができ、実りのある訪中となったものの、行く先々で日本人観光客の姿をあまり見かけることがなく、またテレビや新聞では日本の政治家の発言や「島」の問題がしきりに取り上げられていて、国民感情悪化の深刻さを肌で感じる旅となりました。

5月30日(木)

 昼すぎ、訪中団一行が北京空港に到着し、既に北京入りしていたメンバーと合流しました。今回の訪中団は男性9名・女性7名の計16名で構成され、政治、経済、学術、メディア等各界で中国と深く関わってきた方々の参加があり、多彩な顔ぶれが揃いました。→第1回訪中団名簿 

◆中国国際友人研究会との座談会◆

 午後4時から6時半まで、中国国際友人研究会との座談会「どうすれば日中関係を改善できるか」が同会会議室で開催されました。→中国側出席者

座談会①レポート

 座談会の後は中国側主催の歓迎宴が開催され、座談会には出席されなかった中国国際友人研究会の元各国大使等も参加されました。

 5月31日(金)

 午前10時から、中国社会科学院米国研究所元副所長の陶文釗氏を迎えて、「中米関係と釣魚島(尖閣諸島)問題」をテーマに約1時間にわたり講演を聞き、それをもとに質疑応答を行いました。中国社会科学院近代史研究所所長の歩平氏、中国人ジャーナリストの陳言氏、北京在住フリーライターの小林さゆり氏も参加され、通訳はフリーランスの通訳者・翻訳者として活躍されている金丹実氏にお願いしました。講演・質疑応答の要旨はこちらをご覧ください。→陶文釗氏講演

◆中国国際交流協会との座談会◆

 午後2時半から4時半まで、中国国際交流協会との座談会が同会会議室で開催されました。テーマは、①当面の日中関係の難局をいかに打開するか、②日中関係における民間団体の役割の2点で、交流協会側は倪健秘書長、劉凱陽副秘書長、文徳盛・元中国大使館参事官をはじめとし、アジアアフリカ処、欧米処等の一部スタッフも参加されました。この座談会も午前に引き続き金丹実氏に通訳をお願いしました。なお、倪健秘書長によると、日本からの客人は挨拶だけの表敬訪問が多く、今回のようにしっかりと交流するのは未来の会が初めてであるとのことでした。

座談会②レポート

 座談会の後は日本側主催の答礼宴が開催され、中国側・日本側含めて30名余りが参加しました。

 6月1日(土)

北京から高速鉄道で上海へ移動しました。

 6月2日(日)

 午前、上海万博跡地参観、元中国館にて3Dの「動く清明上河図」見学

◆上海国際問題研究院での座談会◆

 午後2時から6時まで、「日中関係の難局をどう乗り越えるか」をテーマに、上海国際問題研究院にて座談会が開催されました。→中国側出席者

座談会③レポート

 座談会の後は日本側主催の招待宴が開催されました。

6月3日(月)

 上海にて解散し、それぞれ帰国の途に就きました。