中国国際交流協会との座談会

 まずは、8年あまり北京での生活・仕事経験がある原絢子氏が、自身の経験に基づいて民間交流、草の根交流の重要性について話し、相手国に対する理解について、政府間関係やマスコミの報道に振り回されることのない自分自身の「基礎」をつくるには、直接交流することが大切だと訴えました。これに補足する形で、横浜国立大学名誉教授の村田忠禧氏は、旅行も良いが、できることなら相手国に滞在して現地をしっかりみることが望ましいと指摘。実際に中国に滞在して中国のイメージがカラッと変わる学生は多く、昨年9月の反日デモの時期に中国を訪れていた学生たちは、自ら中国にとどまることを選んだというエピソードを紹介しました。その上で、民間の交流を政治利用するべきではないとし、上海万博の際に日本青年訪中団の受け入れが延期された件に言及しました。

 これに対し倪健秘書長は、自分が受け入れ側の責任者であったことを明かした上で、「日本の皆さんの安全を考慮した上での決定であった。しかもあの訪中団は、温家宝首相が招待したもので、政府の交流事業である」と述べました。また、領土問題が両国関係に影響を与えてはならないと指摘した上で、日本の指導者は歴史の問題を忘れたり、軽視したりしてはならず、これは感情の問題ではなく人間性の問題であると強調。さらに、自国の価値観や基準で相手国を見てはならないとの見解を示しました。

 後半は自由討論が行われました。

 〈中国側の発言〉

  • 中日間の民間交流は他に類するものがないほどだ。しかしトラブルが発生した時に、それが効果を発揮していないように思う。しかもこの状況の中、民間交流を強化しようという声が日本から聞こえてこない。

 〈日本側の発言〉

  • 学生交流の費用について、中国側も補助するべき。
  • 交流事業においては年配者の力も活用することができる。例えば、中国の大学で日本語や日本文化を教える等。
  • 日本の世論では、中国との交流は大切だという声が大きくなっている。ただしこれは、国と国の交流ではなく、個人と個人の交流である。
  • 私たちのような民間交流が日本国内にどのような影響を与えることができるか。それを考えていきたい。
  • 自分の父親は長年中国からの研修生を受け入れ、日中友好運動に身を投じてきた。自分もそんな父親の思いを受け継ぎ、両国の交流に力を尽くしていきたい。
  • 日中関係は夫婦のようなもの。長い時間一緒にいれば喧嘩もしたくなるが、少しすればまた仲良くやっていく。だからそう悲観的になることはない。