第41回勉強会

10月15日、第41回勉強会が開催され、当会共同代表の南村志郎さんより、最近の中国の情勢について、尖閣諸島や南沙諸島をめぐる問題、G20の際の日中首脳会談の様子、サード配置問題、世界のバランスなど多方面から報告いただきました。

尖閣諸島の主権をめぐるいわゆる「棚上げ合意」については、中国側にしかるべき記録が残っていることは確かなようですが、それを公開しない理由については不明であるとのことでした。また、軍事衝突の危険が取りざたされていますが、中国側の態度として、自分から手を出すことは決してないと指摘。しかし、日本側から先に攻撃が仕掛けられた場合には中国側は徹底的に反撃するとの姿勢であることも強調されました。南沙諸島問題については、日本は中国包囲網を築こうとするが、米国は中国へ脅しを掛けても有効ではないと判断し、日米間に温度差があると中国は認識している。また、9月のベトナム首相の訪中に続き、10月にフィリピン大統領が訪中する中で、日本だけが孤立する惧れがあることを認識する必要があると警告されました。

サード配置問題については、中国は相当神経を尖らせており、韓国との一切の文化・経済交流を停止する構えにある。中韓の貿易額は国交樹立時の1992年は僅かUS$50億であったものが、2014年にはUS$2365億にも達しており韓国輸出額の1/4は中国向けで、貿易停止となった場合の韓国へのダメージは計り知れないとのことでした。

G20の際の日中首脳会談については、結局中国が会談に応じたのはG20会議後の夜で、しかも30分余り、正式な会談の場ではないところでの会談となり、日本に対する扱いはあまり良いものではなかったと述べました。

叙上に加え、「現在はロシアと中国の関係が強まっており、ドイツがここに加わろうとしている。ロシアには資源・軍事力があり、ドイツには技術力があり、中国には労働力がある。この流れ次第によっては、世界のバランスが変化する可能性があり、注意深く見ていく必要がある」と指摘されました。